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経済・仕事(知的財産・モノ作り)・科学、ポジティブシンキング(モチベーションup、メンタルヘルス)、地球環境、歴史、ゴルフ・野球、囲碁・・・手当たりしだいに理詰めで追求!
by hugoniot
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進歩性の判断方法

進歩性を判断したい出願を 以後”対象案件”とする。


① 対象案件に ”最も近い先行技術”を選定する。
   ※ 対象案件の構成要件が なるべく多く書かれているものを選ぶ。
     (本質部分=解決したい課題+その解決手段 が書かれていればベスト。
      だが、そうでなくても
       *対象案件の本質部分以外が”最も近い先行技術”に 殆んど書かれていて
       *対象案件の本質部分が ”第2の先行技術”に書かれていれば、
      進歩性を否定できる可能性があるので、
      ”最も近い先行技術”は気軽に選定すればよい。)
   ※ もし 後の手順で進歩性を否定しきれなかった場合、
     新たに別の”最も近い先行技術”で進歩性否定の再チャレンジをしてもよいので、
     ”最も近い先行技術”は 気軽に選定して 手順②以降へ進めばよい。

② ”最も近い先行技術”で埋めきれなかった構成要件を認定する。

③ 埋めきれなかった構成要件を”第2の先行技術”で全て埋められるかどうか確認する。
   ※ ”最も近い先行技術”と”第2の先行技術”の間に
     組み合わせる動機付け[Motivation]があるかどうかを確認すること。
      ・・・ 次のいずれかの条件を満たしていれば よい。
       1) ”最も近い先行技術”と”第2の先行技術”の課題が共通。
       2) ”最も近い先行技術”と”第2の先行技術”の機能が共通。
       3) ”最も近い先行技術”と”第2の先行技術”の作用・効果が共通。
       4) どちらかの先行技術中に、
         他の先行技術と組み合わせると良いことの教示・示唆がある。
                       [Teaching・Suggestion]
   ※ ”最も近い先行技術”と”第2の先行技術”に、以下に挙げるいずれかの
     組み合わせ阻害要因がある場合は、進歩性を否定できない。
      (1) 先行技術中に、対象案件へたどりつくのを積極的に邪魔する記載がある。
       1) いずれかの先行技術が、
         対象案件のことを好ましくない、と述べている。
          (例. 本文中で 好ましくない、と述べている。
             比較例で 結果が劣るので好ましくない、と表現している。)
       2) いずれかの先行技術が
        「対象案件と逆方向のことをすべき」と述べている。[Teach away]
      (2) いずれかの先行技術に、
        他の先行技術と組み合わせるのを積極的に邪魔する記載がある。
       3) いずれかの先行技術が、組み合わせようとしていた
         他の先行技術のことを好ましくない、と述べている。
          (例. 本文中で 好ましくない、と述べている。
             比較例で 結果が劣るので好ましくない、と表現している。)
       4) いずれかの先行技術Aが、他の先行技術と組み合わせることによって
         本来果たそうとしていた目的・機能を 果たせなくなってしまう。

④ それでも埋めきれなかった構成要件を、
  ”最も近い先行技術+第2の先行技術で埋められた構成要件と
   機能的に関連しない構成要件 について書かれた先行技術”[単なる寄せ集め]
  あるいは”周知技術”
  あるいは ”自明な課題・容易に思いつく課題の解決手段”で
  全て埋められるかどうか確認する。
   ※ ”周知技術”とは、教科書・便覧1冊 又は 最低3特許文献以上に書かれている技術。
   ※ ”自明な課題・容易に思いつく課題”とは、原材料削減・軽量化・省スペース等。
     そうした課題を 世の中で知られている手段で解決しても進歩性なし。

⑤ それでも埋めきれなかった構成要件が、
  ”最適材料の選択”か”数値範囲の最適化”か”均等物への置換”かどうか確認する。
   ※ ”均等物”とは、”同一課題の解決手段・同一機能を有する手段”のこと。

⑥ 対象案件が 各先行技術に書かれてない”顕著な効果”を持っていないかどうか確認する。
   ※ ”顕著な効果”とは、予想外の”異質な効果”又は
                  ”同質だが 臨界的な変化のある効果”のこと。

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<参考>
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/08100123/005.pdf
  … 「”最も近い先行技術”+”第2の先行技術”に対して
     新しい構成 又は 予想外の効果があれば、進歩性が認められる可能性が高い。」
    と このページの筆者は言っている。
 
by hugoniot | 2010-12-25 21:49 | 知的財産
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