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by hugoniot
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辛坊治郎さんの著書「日本経済の真実 ~ある日、この国は破産します~」を読んだ感想


辛坊さんの この著書は、
供給サイドの不況対策手段に絞って 書かれています
   ・・・ そこは 非常に参考になる名著だと思います。

ただし、次の2点は 問題だと思います。
 *需要サイドの不況対策手段について 全く触れていない点
      ↑ 知らないだけ? 故意に無視? 小泉-竹中構造改革礼讃論者と同じ。
 *日本が破産する(日本国債が暴落する)日が遠くない、と決めつけている点

”需要サイドの不況対策手段”を研究・発表している人たちや、
”日本は破産しない(日本国債は暴落しない)”と主張している人たちの 著書も読んでみましょう

-----------------------------------------------------------------

以下、辛坊さんの著書の主張に対して
同意の場合は〇 / 不同意 または 観点が欠落していると思う場合は×をつけて
コメントしました。


◎:国内に新産業を興して内需・外需を獲得すれば、
  当然GDPが増して分配原資が増えるので良い。この主張には賛成。


〇:国内の生産性を上げることによって
  用いる(輸入)資材量を減らしつつ 製品売価を維持することができれば、
  外国へ払うお金が減って国内にお金を多く残せるので(国内名目・実質GDPが増すので)、
  分配の原資が増える。
  安易に海外生産すると国内の分配原資(GDP)が減る。 この主張にも賛成。


△:「法人税下げで 海外からの投資を呼び込み、
   かつ 国内企業の海外流出を防げば、国内GDPが増す」 という主張には賛成。

  但し、本当に海外からの投資が増して・空洞化が止まらないと、
  歳入減少するだけになってしまう。
  それに触れて、
  「必要な規制緩和・他の空洞化対策も合わせて実施すべき」と主張すると、
  “大企業優遇・庶民イジメ”とレッテルを貼られにくくなるので より良い。


×:実質所得(実質GDP)が成長していれば生活の絶対レベルを維持できる。
  生活レベル維持
    =生活レベル向上せず
    =生活レベルが向上している他国に比べて相対的に貧しくなることが問題。

  物価が下がる名実成長率逆転状態(デフレだと、
  借金してまで消費・投資するのが損だから需要が伸びず、内需GDPが伸びない。
  よって、外需がよほど伸びない限り
  (少なくとも名目値で) 国内への分配額が横這い~減少するのが問題。

  それらを丁寧に説明せず、
   「収入アップの実感が沸かないから名目成長率を伸ばすべき。」
  と言い切るのは短絡で、
  読者の理解が遅くなる結果を招く。
    (「名目収入が減っても、物価が下がって実質収入が増せばいいじゃないか」
     と思っている人の考えを変えさせることができない。)


×:“金利負担がない分配増(政府通貨・地域通貨発行)”により
  成長軌道に載せようとする いわゆるケインズ政策を安易に否定すべきではない。
    http://www.asyura2.com/09/idletalk38/msg/263.html
    http://hiroseto.exblog.jp/9285775/
    http://plaza.rakuten.co.jp/epocha/diary/200909190000/
    http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1267265955/l50

  辛坊さんは 政府通貨の発行によって
  ”海外から見た日本の信用棄損→超円安→輸入物価高騰”に繋がることを恐れているが、
    http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/economic-review/200310/page11.html
  発行金額・発行計画と 経済回復のシナリオを明らかにしながらやれば、
  超円安&大インフレにはならない。(ただし、対外債権国 かつ デフレギャップがある場合のみ。)
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BF%E5%BA%9C%E7%B4%99%E5%B9%A3#.E4.B8.96.E7.95.8C.E3.81.AE.E6.94.BF.E5.BA.9C.E7.B4.99.E5.B9.A3.E3.81.AE.E6.AD.B4.E5.8F.B2
    http://www.asyura.com/2002/dispute2/msg/356.html

  しかも 日本への多少の信用ダウン→円安は
  むしろ外需拡大に直結し、日本にとって好都合。
    (もちろん企業競争力アップが中長期的に最も肝要であることには賛成。)


×:海外からの生活必需資源を手に入れるための原資には、
  加工貿易収益だけではなく
  技術ライセンス供与や海外観光客誘致や海外投資収益も充てられる。
  そうやって食ってきた イギリスやアメリカや観光立国があることを紹介するといい。

  「例えば 加工貿易業・観光業と海外投資業は 円高-円安を介して利益相反するが、
   各々の業種で頑張って
   世界No.1になれば 利益を挙げられる可能性が極めて高い。
   そうやって各産業で世界No.1を目指して 国内の人材で生産性を上げ、利益を増すことが
   国内GDPを最も大きくできて 国内への分配が増し、国内が豊かになる手だ。」
  ということを もっと丁寧に解説するといい。


×:従来の金融政策(低金利・ゼロ金利・量的緩和・若干の国債買い切りオペ)や
  財政政策(有利子国債の小規模発行)がもはや効かないこととその理由、
  および、
  まだ 以下の金融・財政政策は残っていることを指摘すべき。
    *大規模な国債買い切りオペ
    *大規模な財政出動
       (無利子無借金の政府通貨が最も望ましいが、
        次善策として 超長期債発行&インフレ誘導でも良い。)
      http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10558991630.html
    *為替政策(円売り・外貨買い介入)
  そうしないことによって、
  辛坊さんの本が
   「法人税を下げさえすれば、すべてがうまくいく、と彼は思っている。」
  と読者に解釈され、結果的に日本の過半数の人に無視されてしまうのは勿体ない。
 
by hugoniot | 2010-06-03 06:46 | 経済
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