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【問題の定義と、各定義に則った問題解決手順】
1) 『問題とは、”理想の状態”と”現実の状態”とのギャップのこと。』 → (1)理想の状態を書き出し、それを実現できる手段を書き出してみる。 そして、それを実現できる さらに具体的手段を書き出してみる。 2) 『問題とは、同時に実行できない矛盾に直面して 妥協を強いられている ”ジレンマ”状態のこと。 具体的には、 次の いずれかのトレードオフ問題で 困っていること。 ①ある有益機能レベルAを上げようとすると 別の有益機能レベルBが下がってしまう。 ②ある有益機能レベルAを上げようとすると ある有害機能レベルCも上がってしまう。 ③ある有害機能レベルCを下げようとすると ある有益機能レベルAも下がってしまう。 ④ある有害機能レベルCを下げようとすると 別の有害機能レベルDが上がってしまう。』 ※あるトレードオフを解消する策が 別のトレードオフを引き起こし、 そのトレードオフを解消しようとすると また別のトレードオフが起きたり / 元のトレードオフが復活する・・・という いわゆる ”モグラ叩き” ”鶏が先か卵が先か” ”負の連鎖” ”あちら立てれば こちらが立たず” ”にっちもさっちもいかない” 状態が よく起きる。 → (2) トレードオフ問題解決理論の最高峰 TRIZ(発明問題解決の理論)から エッセンスを抽出した USIT(統合的構造化発明思考法) によると、 * 問題が起きるプロセス(始め~終わり)を、時間を細かく区切って 分析する。 どのタイミングで、 どこで、何が有益機能を発揮し / 何が有害機能を発揮するか?を書き表す。 ↓ 有益機能を残して / 有害機能をなくすように、 ・既存のモノや動作を なくす。 (有害機能原因を除去。 有益機能の発現を妨げてる原因を除去。) ・既存のモノや動作を 別のタイミング or/and 場所で投入する。 (トレードオフ問題解決策の決定版 ”TRIZ分離原理”に相当。 http://ishiirikie.jpn.org/article/832664.html 参照。) ・新たに最小限の モノや動作を加える。 (有害機能原因を隔離、有害作用を遮断・緩和、有害結果を補償、 有害機能原因を除去したことで失われた有益機能を 別途追加。) の順番で考えれば良い。 (3) トレードオフ問題解決理論の もう1つの最高峰である TOC(Theory of constraints;制約条件理論)の中に整備されている 「思考プロセス」手法中の 対立解消図(クラウド)によると、 * 『aをしたいけど、aをしたくない(bをしたい)。」 という風に、 同時に実行できなくて困っている ある状態・動作を見つける。 例1. 売上機会損失防止のために ”在庫”を増やしたい(a)けど vs 売れ残り損失防止のために ”在庫”を減らしたい(b)。 例2. 早く目的地へ着くために ”スピード”を上げたい(a)けど vs 事故時被害を小さくするために ”スピード”を落としたい(b)。 例3. 仕事で給料を増すために ”会社に長くいたい”(a)けど vs 家庭生活を楽しむために ”会社に長くいたくない”(b)。 例4. 技術課題解決するために ”特許へ時間をかけたくない”(a)けど vs 開発技術を保護するために ”特許に時間をかけたい”(b)。 ↓ * 一見 対立する aとbに、共通目的があるかどうか? を考える。 (もし 共通目的があれば、 必ず 素晴らしい問題解決アイデアがある。) ↓ * 「共通目的を実現するには Aが必要である。 なぜなら、・・・・・だから。 「Aを実現するには aが必要である。 なぜなら、~~~~だから。」 「共通目的を実現するには Bが必要である。 なぜなら、--------だから。」 「Bを実現するには bが必要である。 なぜなら、--・・--・・--だから。」 「aとbは同時に実行できない。 なぜなら、~---~---だから。」 という文章を書く。 ( ・AやBの表現はドンドン修正可。 ・「なぜなら、・・・」の部分は いくつ理由があってもいい。多いほどいい。 ・5つの文章全てに違和感がなくなるまで考え、表現を修正する。) ↓ * 上の5つの文章のそれぞれで 「なぜなら、・・・・・・・」の部分に注目し、 そこが 間違ってないか? 思い込みだったのではないか? と考える。 ↓ * 編み出した問題解決策が 何か弊害を起こさないか? 弊害を予防するには どうすればいいか?を考えれば良い。 ((2)F-USITの手順に従えば、弊害予想&予防策立案が容易。) (4) トレードオフ問題には4種類あることを 先に述べた。 それら4種類の見方を変えると、 *”有害機能をなくす~しっかり減らせれば”、有益機能だけ残るので◎。 *有益機能を増す策を講じても、”有害機能が増さなければ”◎。 *ある有害機能を減らす策を講じても、別の”有害機能が増さなければ”◎。 という風に、 「何があろうが ”有害機能”が増さない」設計が好ましい、と言える。 また、次のような言い方もできる。 どんなシステム・商品(モノ・ネットワーク)も、”外乱”に晒される。 例えば、 ・通常は 常温常湿の室内で使われることが想定される商品だけど、 持ち運ぶ際、高温高湿で直射日光の当たる所に長時間晒された。 ・通常は 静置された状態で使われるはずだが、 持ち運ぶ際、 誤って 床へ激しく落としてしまった。 ・通常は 大気中で使われるはずだが、誤って 水没させてしまった。 ということは よく起きる。 こんな ありがちな外乱で、 イチイチ故障する(有益機能が下がる・有害機能が上がる)ようでは困る。 ↓ 外乱に強い(高外乱耐性、高ロバスト性、高ロバストネス、頑健な) システム設計をすべき。 ↓ *現行システムで 最もロバスト性が高い条件を見つけたい時には、 品質工学QEの実験計画法を用いれば良い。 *システムを大改変してでも ロバスト性を高くするアイデアが欲しい時には、 下記手順に従えば良い。 ・有益機能/有害機能 の 時間/空間分析を行い・・・ [2)(2)参照] ・理想をイメージし、その実現手段を考える・・・ [1)(1)参照] ---------------------------------------------------------- 【問題の種類】 1) モノ・情報の”流れ”の観点 (1)流れが遅い・滞っている・詰まっている・止まってしまっている。 ・・・生産性が低い → ①流れを速くし、それによって起きる問題を解決する。 ②流れが詰まる箇所を見つけ、原因を究明し、根本解決する。 (2)流してはいけないものを流してしまっている。 ・・・不良品、品質不良 → ①不良品を作らない仕組みを作る。 ②不良品を発見し、下流工程へ流さない仕組みを作る。 ※(1)でも(2)でも、熟練者じゃないと うまくできない仕組みでは 不充分。 誰でも・言葉が分からない外国人であっても できるくらいの仕組み作りを目指すこと。 ※商品の流れは お金の流れ(キャッシュフロー)。 在庫=止まっている商品=キャッシュフローの滞り。 だから、”在庫回転率を上げると キャッシュフロー(スループット)が増え、利益が増える。” 2) ”機能”の観点 (1)機能レベル過剰 ・・・有害機能レベル過剰、オーバースペックによるコスト高 (2)機能レベル不足 ・・・有益機能レベル不足、オーバースペックによるコスト高 (3)機能レベル不安定 ・・・有益機能レベルを常には発揮できない、有害機能レベルが時に許容値を超える ※2種類以上の機能が登場すると、トレードオフ問題が起きる場合が多い。 → トレードオフ問題は、F-USITとTOC対立解消図に頼れば 解決できる。 (機能レベル不安定問題に関しては、品質工学QEも 大いに役立つ。)
by hugoniot
| 2010-08-06 21:55
| 知的財産
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